1957年、旧西ドイツ・ハノーファー生まれ。現在、ニューヨーク在住。メディア・アーティスト、ジャーナリスト。
「国家」「テクノロジー」「メディア」等の諸問題を可視化するアート作品を制作し、ボーダーレスなフットワークによって、新しいアートの可能性を切り拓いている。
作品・展覧会として、「C3I」(1987、ドクメンタ8)、「ワールド・プロセッサーWorld Processor」(1990-)、「エクシビション・オン・エアー」展(1992)など。今夏、十勝で開かれる国際現代アート展「デメーテル」に参加予定。
民族・文化人類学を学んだのち、ナム=ジュン・パイクに師事。81年から、NASAの地球資源探査衛星ランドサットから一般提供される映像データを用いた作品を手掛け始め、87年の「ドクメンタ」出品作品「C3I」で、国際的な注目を集める。また、ランドサットのデータの解析から、チェルノブイリ原子力発電所の事故(86年)を、旧ソ連政府の発表に先んじてどこよりも早く発見したことでも知られている。90年代に継続的に制作された作品「World Processor」は、今日の地球が抱える諸問題を描いたイルミネーションの地球儀を並べたインスタレーションで、ジャーナリスティックなアートの可能性を提示した。また、近年は、国家という枠組みを越えた共同体の可能性を、難民という存在の潜在的可能性から引き出そうとする、「難民共和国」プロジェクトをインターネット上で展開している。
なお、『AXIS』vol.95では、地元住民の視点からNYのテロ事件のレポートを寄稿している。