1959年生。慶應義塾大学理工学部助教授。現代芸術論・フランス文学専攻。

フランス文学研究から出発し、その後、現代芸術へと関心を移し、各誌上で批評活動を行う。著書に、『脱芸術/脱資本主義論』など(下記リストを参照)。

ここ約10年の評論をまとめた近著『脱芸術/脱資本主義論』では、コラボレーションやワークショップといった現代アートのプロジェクトがもつ形態に着目し、そこに芸術が袋小路へと陥らないための処方を見出す。資本主義が支配する現代社会における芸術の新たな可能性について理論的考察を展開する一方で、ダムタイプや野村誠、IDEAL COPYなどの仕事に注目し、その批評性を論じている。

また、著述活動の傍ら、近年では、NPO「芸術家と子どもたち」のASIAS(アーティストが小学校に赴き、先生や児童と一緒に新しい授業を創る企画)などで社会とアートとの接点を探っていくさまざまなプロジェクトを手掛けている。評論に見られるような現代アート観の実践的展開であると言えよう。


著書リスト:
 
(オンライン書店のbk1amazon.co.jpにリンクを貼ってあります。)

  • 『女?日本?美?―新たなジェンダー批評に向けて』(千野香織と編著、慶應義塾大学出版会、1999年)[bk1 | amazon]
  • 『脱芸術/脱資本主義論―来るべき〈幸福学〉のために』(慶應義塾大学出版会、2000年)[bk1 | amazon]
  • 『セルフ・エデュケーション時代―プラクティカ vol.1』(川俣正、ニコラス・ペーリーと編著、フィルムアート社、2001年)[bk1 | amazon]
 など


関連ウェブサイト:

http://members.tripod.co.jp/ASIAS/
NPO法人「芸術家と子どもたち」

http://www.dnp.co.jp/artscape/
http://www.dnp.co.jp/artscape/reference/archives/index.html
「artscape - DNP Museum Information Japan」。熊倉氏の寄稿記事多数有り。

http://www.yumebotan.com/interviewdirect.htm
「ユメボタン」による熊倉氏インタビュー。

http://dt.ntticc.or.jp/
ダムタイプ公式ウェブサイト


関連情報:

「アサヒ・アート・フェスティバル2002」の「すみだ川モード」のイヴェントの一つに以下のようなものも!

----------

《デモ・ステーション》プログラム

●6月30日(日)午後 *要予約
熊倉敬聡(慶應義塾大学助教授)の
クッキングショー
会場:すみだリバーサイドホール・ギャラリー
   東京都墨田区吾妻橋1-23-20 墨田区役所1階  Tel.03-5608-6430

----------

http://www.asahi-artfes.net/calendar/f_exhibi.htmより引用。


フィルムアート社編集長。

社会と芸術の境目にある、「言葉にできないもの」、「抑圧されたもの」、ノイズを浮上させる<境界編集>を方法論にして本作りをすすめる。

近年の編集書に、川俣正『アートレス』、川俣+ペーリー+熊倉編『セルフ・エデュケーション時代』、ニコラス・ペーリー『キッズ・サバイバル』、シンシア・J・ノヴァック『コンタクト・インプロヴィゼーション』、大野一雄『大野一雄 稽古の言葉』他、<Practica><ArtEdge><CineLesson>の各シリーズなど。


関連ウェブサイト:

http://www.filmart.co.jp/
フィルムアート社


関連情報:

フィルムアート社では、川俣の著書をすでに2册手掛けています。

川俣正・著
『Artless マイノリティとしての現代美術』
私はすべての決定権を
現場(サイト)に委ねる!
国際的「美術家」の
スリリングな自己検証の書!

詳細はこちら
購入はこちら[bk1 | amazon]

2400円+税


川俣正+ニコラス・ペーリー+熊倉敬聡・編
『practica1 セルフ・エデュケーション時代』
自分が変わる/世界が変わる
新しいマイノリティの
アート・プラクティス!

詳細はこちら
購入はこちら[bk1 | amazon]

2200円+税


そして、practicaシリーズvol.2は以下の内容で予告されています。

関則雄(アートセラピスト)+三脇康生(精神科医)編
『practica2 アートセラピー潮流』(仮題)
コンテンポラリーアートとセラピーの出会い(副題) 

抽象表現主義のジャクソン・ポロックはアルコール依存症で、アートセラピーを受け、インドのクリシュナムルティの講演を聴き、ユング心理学に傾斜し、最後にドロッピングの手法に行き着いた。このひとつの事実だけでも、現代美術の代表者がいかに心理学やスピリチュアリティと関係しているかがわかるだろう。

本書は、<セラピー>の観点から旧来の美術史を全面的に読み替え、アウトサイダーアートとの関係やアートセラピーのアート的側面(自己の闇との遭遇、サブライムなど)を解説。さらにピナ・バウシュの影響を受けながら先端的な、<エクスプレシッヴ・アーツ・セラピー>を展開するスイスのP・クニルなど、世界の代表的アートセラピストを紹介し、もう一つの隠された<アートの可能性と経験>を初集成する!


フィルムアート社:http://www.filmart.co.jp/