1931年、カナダ・ヴァンクーヴァー生まれ。詩人。
著作多数(下記リストを参照)。すでに三十冊近くの詩集を刊行、英語や仏語など20数ヶ国語に訳されている。
10代後半に、北園克衛の雑誌『VOU』に参加、モダニスム、シュールレアリスムの世界に触れる。早大在学中の51年に詩集『卵のふる街』でデビューしたのち、長いブランクをおいて、60年ごろから再び詩作を始める。70年『聖なる淫者の季節』で、詩の芥川賞にあたるH氏賞を受賞。圧倒的なドライヴ感を持つその長編詩は、モダンジャズやアメリカのビート詩の影響を強く感じさせる。当時としては画期的な、ジャズの即興演奏に合わせた朗読パフォーマンスを行うなど、自作朗読会もたびたびこなしている。
また、1973年にアイオワ大学国際創作プログラムに招かれて以来、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、中南米と、世界各国の詩祭・芸術祭・作家会議に招待され、ポエトリー・リーディングのパフォーマンスを行う。世界各地への旅行や各国の詩人との交流に触発された詩も多く発表されている。現在も海外を飛び回る生活ぶりである。
近年に刊行された自伝『黒い羊の物語』では、女性が詩を書き、またセックスを巡る言葉を使うことに対する社会的蔑視、詩の朗読パフォーマンスへの無理解に対して、一貫して闘ってきた詩人が世界各国で活躍するまでにいたる半生が、率直な筆致で描かれている。